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職員の皆さんへ

 
小林 豊機(常務理事):平成25年8月27日

残暑お見舞い申し上げます
(在宅復帰機能強化型に移行して・・・)

「ほほえみの郷は、毎日が楽しくやりがいのある素晴らしい老健施設でした。
でも早期の在宅復帰の方針から、親しみ馴染んで来たご入所者様が一人去り、また一人と去って遂に最後の一人が退所したことで、心にポッカリ穴が空いた気分になりました。」この思いは、少なからず多くの職員の方々も感じていることだと思います。
出来るだけ長く寄り添う介護が望ましいことです。
しかし、常に医師、看護師、リハビリ、介護士のオールスタッフよる切れ目のない介護システムは、老健施設でこそ可能であって、特養施設や数千万円を支払う有料老人ホーム等では対応出来るサービスではありません。その上、私共は、同じ公の福祉施設でも非課税扱いの特養施設と異なり、課税される医療法人の施設であり、収支の配慮にもしなければなりません。
常々、「長く寄り添う、断らないやさしい施設
でありたいと努力して来ましたが、超高齢化社会を迎えた今日では認められる状況ではなく、多くの方々について一日も早い在宅復帰と重度の方々への手厚い介護をお願いするに至った次第です。
「いままでの勤務体制では、疲労とストレスが溜まってしまう。リフレッシュ可能な体制を考えて。」と若い職員からの提案を受けました。
強化型へ変身した今日、ファッションもTPOを意識しなければ。課題は沢山ありますが、岩田ワーカー長のユニットケアから個別ケアへの提案も一考と・・・。
更に、強化型導入は10年早いとの意見も聞かれます。しかし、国がゴールドプランで老健施設に求める役割を打ち出してから、目標を達成した私達の施設でもすでに四半世紀が経過しています。福祉も措置主体の時代はとうに終わり、社会貢献と法人が生き残るためにはスピードと自助努力が求められている時代です。
在宅復帰率、回転率、稼働率そして収支の均衡に配慮しながら、より良好な職場環境を築き、これからも老健施設に求められる役割を果たして行こうではありませんか。

平成25年8月吉日
医療法人社団 悠仁会
常務理事 小林豊機

 

職員の皆さんへ

 
小林 豊機(常務理事):平成25年2月15日

2月1日 待望のプロ野球キャンプインが一斉に開始されました。ファンの一人として、今から3月のWBC大会を又、大型新人の大谷、藤浪選手の活躍を楽しみにワクワクした気分です。
ところで、地味な話題ですが、コーチとして長く番頭役を努め晴れてオリックスの監督に就任した森脇浩司監督の抱負には、胸打つものを感じました。
「微差は大差だと思っている。昨年、最下位のオリックスは個々の試合をみれば紙一重の差だったが、実はその紙一重に大差があった。常勝球団は、日々細かいことの積み重ねで少しずつでも前進している。狙ったコースに狙ったバウンドが打てる。連携プレーの成否は投手と野手の一瞬の呼吸にかかっている。自分達は、それを見逃したらば、永遠に追いつけない」と。
翻って、私共の施設では、いま運営委員会を中心に平成25年度にはハイレベルな機能強化型老健施設を実現するための議論をしています。昨年の県老健施設協会の研修会に参加した京谷総合相談課長をして「県内で在宅復帰を進めている老健は10%程度。当然ながら「ほほえみの郷」は当該施設であり、施設・職員ともモチベーションもレベルも高い」との見解。
ちなみに、11月の稼働率99.44%、在宅復帰率39%、回転率10%の数字からすれば在宅復帰率50%と言うトップの地位は射程距離にあると言っても過言ではないと思います。中重度の患者の受入れと早期の在宅復帰を目指すと言う意識変革を実践することで達成は可能であり、トップランクの評価と果実は施設及び職員にとっても大変価値あるものと思います。挑戦しましょう。
現在、週の大半をサ高住東戸塚の支援のために出向いていただいています瀬﨑局長が、少し距離を置いて見た「ほほえみの郷」に気付かれることも多いようです。局長の発信しているメールを再読してください。節電の折柄、無人のテラスに夜の10時でも点灯されている等々。微差の大差を生む要因にもなりかねません。
お互いに心して注意し合い高い目的に向かって頑張りましょう。
平成25年2月吉日
敬具

 

素晴らしき皆様へ

 
瀬﨑 忠雄(事務局長・ケアクラウン):平成25年2月08日

自らの力で、自らの道を歩む・・・
敗戦の翌年、石橋湛山蔵相が満を持して登場いたしました。国会の財政演説の結びに「我々は日本の前途を決して悲観すべきではない。我々は民主主義と平和主義に徹底し協力一致奮励するならば、希望の海は洋々として前面に展開している。人間は現在よりも将来の希望に生きるものであり、輝かしき平和日本の民主主義の建設がかくて成功する日を想望すれば甚だ愉快にたえない。勇気が勃然として全身にみなぎることを感ずる」と語りました。戦後、破たんしていた経済を再生すべく「積極財政」に打ってでたのです。省内ばかりか、経済学者も世論を挙げて大反対でした。湛山は一人孤立したのですが、ケインズ理論に基づく政策は「健全財政」でも「緊縮財政」でもない湛山の信念だったようです。その後の日本の復興をみると誰が正しかったかは歴史が証明しております。・・・・・新しい政権に変わり日本が再び、世界の表舞台に戻ろうしています。・・・・最近の報道を見るにつけ、今度は、本当に日本は「再生」するかも知れないという「希望」を持ち始めます。そして介護・支援の世界にも改革の「嵐」が吹き荒れています。政府からは「これでもか!!」
と思われる介護報酬の見直しがされます。それも短期のサイクルでなされるようになりました。一刻の猶予もなく「方向の変換」をしなければなりません。
介護の世界ですと「緊縮財政」=「人権費の削減」と考える運営者がいます。しかし、私達の世界では「安全を確保できる人員」を削減したら支援そのものが出来なくなります。ちょっと前の日本のように、大企業が非常勤・契約社員を多くする事により収益を上げる事はできないのです。私達の老人保健施設では、専門学校を優秀な成績で卒業して来た職員ですら、一人で夜勤をする迄に半年以上の研修と経験を積みます。
我々は介護報酬の見直しに対応して、利用者様の支援力がマイナスにならず、削減された報酬もカバーできるような、様々な改革をしております。行政に不満を言っても利用者様の処遇は変わりません。皆様にお知恵を戴き「自らの力で、自らの道を歩む」所存であります。更なるご協力をお願いいたします。

 

新年のご挨拶(年頭の雑感)

 
小林 豊機(常務理事):平成25年1月15日

拝啓 新年を健やかにお迎えのこととお慶び申し上げます。
元旦は、例年通りご入所者様へのご挨拶と幹部の方々と共に、地元の三嶌神社に初詣、2日には家族で赤坂の山王日枝神社に参拝し、事業の隆盛と厄除招福のご祈願を致しました。
特に、今年は、昇殿参拝をお願いしましたところ、幸いにも参拝者代表の一人に指名され、額賀元財務大臣に継いて玉串奉てんも出来、落ち着いた状況の中で、発展をご祈祷することが出来ました。
そもそも山王日枝神社は、江戸城の表鬼門の鎮守として崇められ、又、終戦前は、別格官幣大社として遇され、現在は、明治神宮や靖国神社と共に東京五大神宮にも数えられています。
私にとりましては、東京ヒルトンホテル(現キャピトル東急)での神前結婚式を始め、国会議員の秘書時代からの崇敬の存在ですが、加えてこの日枝神社と縁の深い徳川家康公が建立されたと言われる「川井御殿」の館跡に、偶然にも建っている「ほほえみの郷」にただならぬ結び付きを感じています。
平成25年の年頭に当たり、徳川260年の歴史にあやかり「ほほえみの郷」が、これからも栄え続けることが出来ますように職員スタッフの皆さんと共に、今年も頑張りたいと決意を新たにしています。
本年もご入所者様並びに患者の皆様にほほえみで向き合っていきましょう。
よろしくお願い致します。
平成25年1月吉日
敬具

 

職員の皆さんへ

 
石井 修(施設長):平成25年1月15日

新年明けましておめでとうございます。
時が経つのは早いもので昨年の6月に赴任し“あっ”という間に新年を迎えました。私にとって昨年は、法人、施設、入所者、そして、何よりもスタッフのためにとの思いでロンドン・オリンピック100m走金メダリスト ウサイン・ボルトさながらに、我武者羅に走ってきた、そんな年でした。今年は、走り高跳びに参加する意気込みで更なる高見をめざし飛躍をしたいと思います。皆さんのお力添えをお願い申し上げます。
さて、昨年末から本年1月にかけて、ノロウイルスが猛威を振るい高齢者施設・医療機関での集団感染、死亡事例が報道各社の紙面を賑わしていたことは皆さん周知の事と思います。ウイルス、細菌は、まさに目に見えない敵との戦いで手洗いが予防のために最も大切です。ノロウイルス終息後は、恐らくインフルエンザの集団感染が発生することも安易に予想されます。自身の身を守るだけではなく、入所者の安全も皆さんの自覚にかかっています。手洗いの徹底をお願いします。集団感染が発生した医療機関、高齢者施設には、管理体制の不備がなかったのか?など法的責任が問われることになります。それを見越したかのように日本内科学会誌2012年12月号、全国老人保健施設協会発行老健平成25年1月号何れもリスク管理についての特集がされていました。内容は多岐に渡っており、詳細な内容紹介は次の機会に致しますが、その中で、事故報告についても語られています。感染症発生とは異なるリスク管理のお話ですが、職員の皆さんには、日頃から“インシデント・アクシデント”報告をお願いしており、内容について気が付いたことがあったので、今回は、『報告』を取り上げます。介護事故が発生した場合、注意義務と責任を問われることになり、その時に事故報告書も証拠の一つとなります。報告・記録のポイントは、「いつ」「誰が」「誰に」「何を」「どこまで報告・記載するか」であり、報告する時点で把握している客観的事実はありのままに報告・記載し、憶測・推測・感想・意見・見解・評価などを含めないことが重要と紹介されています。一見当たり前の事のようですが、推測、憶測を含めずに報告する事が実は難しいことだと思います。例えば、「バタンと音がして振り返ると○○さんが倒れていました」という事実だけを記すところを、「日頃から足元が不安定だったので、足をすべらせた」という憶測・推測を事実のように書くべきではない。倒れる瞬間をみていないのなら「その瞬間はみていません」と正確に記述することが、望まれます。難しいことではありますが、皆さん、正確な報告を心掛けましょう。事故報告書は、皆さんの責任を追及するものではありません、より良い管理体制を構築するための入所者に利益となるためのものです。万が一皆さんが法的な責任を問われるようなことがあれば、全力で施設が守ります。
本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

 

素晴らしき皆様へ

 
瀬﨑 忠雄(事務局長・ケアクラウン):平成25年1月04日

新年明けましておめでとうございます。
本年も宜しくお願いいたします。
本年は3月に横浜市東戸塚、5月に大和市にサービス付き高齢者向け住宅が開所いたします。訪問看護「ほほえみ訪問看護リハビリテーション」の開所も3月です。
2面に横浜市長 林文子様、医療法人社団恵生会 冨田祐司理事長様、社会福祉法人横浜市旭区社会福祉協議会渡邉富次会長様より新春のご挨拶を掲載させていただきました。
4面・5面は部門長の本年の抱負や意気込みを自由に書かせていただきました。
7面にはグループの実践している、「地域サポート」の様子を一枚で表現させていただいております。地域で「安全・安心」して生活できるように、完全を目指して必要な事業の展開をしております。8面には新監事 服部恭輔様の就任記事、そして御殿山クリニック横浜の野口医院長の「つくばマラソン」の記事が掲載されております。残念ながら「3時間を切る!!」という目標は果たせませんでしたが、次回に期待しております。
何時も、法人グループの働きを支援頂き感謝いたします。

 

職員の皆さんへ

 
小林 豊機(常務理事):平成24年12月15日

拝啓 これから歳末を迎え、公私共にご多忙の候ですが、ご健勝のことと存じます。
「おもてなしの心を海外でも」・・・。資生堂は、日本流の接客思想の冊子を海外74カ国・地域の美容職社員約8000人に配布。両手を添えておつりや商品を渡す、顧客の顔のメークをふき取る際にテイッシュを指に巻いて使うことなど細やかな日本流の接客を教育・実践することによって風俗・習慣の違う海外でも評価され、ブランドイメージと業績向上に大きく貢献しているとのことです。
翻って、私達の医療・介護の分野でも接遇は大切な要件であり、忍耐力、コミュニケーションそして言葉遣い(コミュニケーションに含まれると思います)がそれに該当するのだと思います。職員の一言がご入所者様・患者さんの気持ちを明るくも暗くもします。
最近、世の中が元気の無いせいか、職員同志の挨拶に元気な声と笑顔が少なくなっているとの印象を受けています。同じ職場の仲間が無言ですれ違うとしたら、職員間にとどまらず、ご入所者様・患者さんとのコミュニケーションにもいささか不安を感じさせられます。
ほほえみの郷では、また開設の頃のような元気な声をお互いに掛け合いましょう。元気な発声は、ご本人自身にも自然と気合が入り、応じる側の元気付けにもなり、元気な声がこだますることは、ご入所者様はもとより施設を明るく活き活きとした雰囲気にします。ファミリーレストランの元気な「いらっしゃいませ!」が明るさと親しみを感じさせるように・・・。心掛けをお願いします。
肌寒さを感じる折柄、呉々も体調には気を付けて年末・年始をお迎え下さい。
平成24年12月吉日
敬具
追伸:インフルエンザやノロウィルスが流行しています。万全の対策をお願い致します。

 

この一年、ご苦労様でした!

 
小林 豊機(常務理事):平成24年12月10日

医療部門

この一年を通じて、各事業所でのご努力とご苦労に報いたいとの思いを込めて、本日賞与をお渡し出来てホットしています。ありがとうございました。
今年一年を振り返ってみまして、職員の皆さんに渋いことを随分発信し続けて来たように思いますが、これも平成21年に開所以来の緊張感からのものでした。
法人設立4年、老健施設の開設から3年5ヶ月が経過しましたが、今年は石井施設長並びに野口先生をお迎えしたのを始め、古守先生のほほえみ内科の開院、ほほえみ倶楽部の移転、更にはサービス付き高齢者向け住宅 東戸塚・大和に着手するなど大変印象に残る年になりました。
特に、法人としては堅実な運営を期する為に、運営の公正・透明性を推進することから石川理事長を中心にコンプライアンス委員会を発足させ、併せて就業規則や退職金制度の是正を始め諸規則の再点検に取り組んで来ました。

介護部門

この一年を通じて、各事業所でのご努力とご苦労に報いたいとの思いを込めて、本日賞与をお渡し出来てホットしています。ありがとうございました。
今年一年を振り返ってみまして、職員の皆さんに渋いことを随分発信し続けて来たように思いますが、これも平成21年に開所以来の緊張感からのものでした。
法人設立4年、老健施設の開設から3年5ヶ月が経過しましたが、今年は、石井施設長並びに野口先生をお迎えしたのを始め、ほほえみ内科の開院、ほほえみ倶楽部の移転、更にはサービス付き高齢者向け住宅 東戸塚・大和に着手するなど印象深い年になりました。
特に、法人に於きましては、運営の公正・透明性を推進することから石川理事長を中心にコンプライアンス委員会を発足させ、併せて就業規則や退職金制度の是正などにも取り組んで来ました。
従来からの課題としては、榮田事業推進課長及び米山さんが節電対策の一環としてデマンドメーターを設置し職員に節電協力を呼び掛けて来ました。このことは、契約消費量220kWhをオーバーすると全職員で生み出した在宅復帰加算(職員一人の年報酬分)も電気代で素っ飛んでしまうとの危機感からで、悩ましい課題だけにこれからも是非、ご協力を下さい。
尚、今年の最大の課題は、介護保険改正による大幅な減算の苦境を如何に乗り越えて行くことでした。いち早く通所リハビリテーションが減収をカバーする方策として、土曜日の開所をしていただけたこと本当に助かりました。また、石井施設長のリーダーシップでご入所者様の介護度の是正、相談課を中心に稼働率を維持しながら回転率・在宅復帰率を高めると言う、正にタイトロープな難題に取り組んでいただき、11月には、稼働率99.44%・在宅復帰率39%・回転率10%と見事な成果を修めることが出来ました。
その他、松本看護師長を始め看護スタッフの皆さんからは、一人夜勤体制のご協力をいただき、岩田ワーカー長の介護部門からは、自己負担と言われながら実は、法人の費用負担の大きい個別外出レクの抑制にもご協力をいただき感謝しています。
去る、11月16日の神奈川県老人保健福祉施設協会 事務・支援相談員合同研修会での京谷総合相談課長の報告に「厚労省は2025年に標準を合わせて、在宅復帰をしていない老健施設は淘汰(高齢者住宅へのシフト誘導)されることもある。現在、県内で在宅復帰を進めている老健は10%程度。その中でも私共は、施設全体で在宅復帰に取り組んでおり、モチベーションは非常に高く、ほほえみの郷のレベルは高いです。」とのコメントがありました。
全職員で真剣に、課題に取り組んできた成果ですね。
今後共、よろしくお願い致します。
平成24年12月吉日

 

職員の皆さんへ

 
石井 修(医師・施設長):平成24年11月14日

朝夕の冷え込みが増して参りました。体調管理、自己管理をお願いします。
さて、今月は『スピーチロック』について考察してみたいと思います。
介護施設に勤める看護職・介護職の方であれば、すでにご存じの言葉だとは思いますが、スピーチロックとは、簡単に言うと器具による身体拘束とは異なり、『言葉による拘束』を指します。
看護、介護者の“言葉”によって、利用者の行動を抑制・制限したりする対応のことです。
具体的な例としては、「動いたらダメ」「早くして」「立ち上がらないで」や、「どうしてそんなことをするの」のように叱責の言葉も対象となります。
その中に、介護者は言葉による抑制とは考えずに日常的に発している『ちょっと待って』があります。このような声掛けは、理由無き行動制限のため、利用者のBPSD(認知症周辺症状)や不穏な状態を引き起こす原因となり、避けなければなりません。
しかし、どのような言葉がスピーチロックに該当するかの判断基準はありません。一般に、人間としての尊厳を傷つけるか、人権侵害に当たらないかを判断する事が求められます。現在、全国さまざまな施設、病院などで、スピーチロックの見直しや研修、勉強会などをされていると耳にします。
『ちょっと待って』という言葉が、本当に拘束にあたるか、ということになると、我々も日常的に使っている言葉であり拘束ではないのでは? 『ちょっと待って』を拘束とするならば、“仕事にならない!”との声があるのも事実です。
高齢の方々で、自分の意思や希望を表現したり、伝えたりできない方々にとって、まして認知症が進んだ方々にとっては、『ちょっと待って』という言葉で行動を制限されることは、多大なストレスとなります。その点を意識できるかどうかが大切なのだと思います。
『今から○○をするから、どれぐらい待ってください』とか『こぼれて汚れてしまうからこのまま動かないでください。ふき取りますから』など、見通しや予測、説明が少しでもあるかないかで、だいぶ感情も変わるものだと思います。もし、我々が『ちょっと待って!』という言葉で納得できるとしたら、それは、『時間的待機として目処が立ち』『相手の状況を理解でき』『納得できる状態』で、初めて『ちょっと待って』が通用しているわけです。理由なき行動の制限を避けることが大切だと思います。
スピーチロックにならないケアとは、上記のような『抑止するような言葉を使わずに伝えて、安全を確保できる看護や介護』となるでしょうか。時間に追われ、業務に追われているとついつい「待ってて!」と言いたくなりますが、自分が介護される側だったらどう感じるか?に思いを馳せて下さい。
『ちょっと待ってて』=『待て』と言っているのと同じです。態度や情景は関係ないのです。行動を言葉で抑制している事を認識しないと、いつまでたってもスピーチロックはなくなりません。施設でスピーチロックが、無くならない理由が分かりますか?それは職員が『これくらい』『普通に』という言葉を使って、改善する意思を放棄しているからです。『ちょっと待ってて』という言葉がスピーチロックといわれるのであれば、その言葉を使わずにどう伝えるかを考え、日常業務に反映させましょう。
そしてこの事は、職員間、家族や友人との円滑な関係を構築する上で、応用できるテーマではないでしょうか。
各自で一度、スピーチロックについて調べ、考えてみていただけたらと思います。

 

素晴らしき皆様へ

 
瀬﨑 忠雄(事務局長・ケアクラウン):平成24年11月05日

「命より大切なもの」
段々と、寒くなりますが、皆様におかれましては、お風邪などひいておりませんか、厚着をして風邪なんて「吹き飛ばして」下さいネ。
そういう、私は久々に「大風邪」をひきまして、先月の始めより「ずっ〜と」引きずっております。今は喘息に移行しないように、法人内の先生方にサポートしていただいております。皆様も体調のすぐれない時は、法人のクリニック
(中希望が丘診療所・御殿山クリニック横浜・ほほえみ内科クリニック)の優しい先生方にご相談ください。
さて、私どもの法人では「大切な命」に全職員が関わっております。以前、命とどのように対したらよいか、考え栃木の星野富弘美術館に通った事がありました。星野さんは高校の体育の先生をしていましたが、事故で首より下が動かなくなりましたが、必死のリハビリをして口で「絵」と「詩」を書き、見る人に感動を与えています。
彼の詩に「いのちが一番大切だと思っていたころ、生きるのが苦しかった。命よりも大切なものがあると知った日、生きているのが嬉しかった」という作品があります。
この誌をめぐって星野氏に多くの質問が届くそうです。「命より大切なものとは何ですか」。氏は質問に対し明確に答えず、「さぁ、なんでしょう。あなたが自分で探してください。本気で探し続ければ必ず見つかります。私でも見つかったのですから」と答えるそうです。その理由は、人に「それ」を教え、その時は納得しても、実は分かっていない。自分で発見しなければ心の奥に残らないという信念からなのでしょう。
先日、イルカさんの曲にふれる時がありました。何か答えを貰った気持ちがしました。亡くなったご主人が「子供にも分かる命の歌を書いて」と言われて書いたそうです。
「まあるい いのち」
ぼくから見れば 小さなカメも アリからみれば きっと 大きなカメかな?
みんな同じ生きているから ひとりにひとつづつ 大切な いのち
ぼくから見れば 大きな家も 山の上からみれば こびとの家みたい
みんな同じ地球の家族 ひとりにひとつづつ 大切な いのち
ぼくから見れば 東と西も よその星からみれば 丸くてわかんない
みんな同じ宇宙の仲間 ひとりにひとつづつ 大切な いのち
ふたつの手のひら ほほにあてれば 伝わるぬくもり まあるい いのち
ふたつ手のひら ほほにあてれば 伝わるぬくもり まあるい いのち
ララララ ララララ ラララララララ ララララ ララララ ラララララララ
法人のサービスをいつもお受け下さり、感謝いたします。皆様が「平安」でありますように、皆様が「幸せ」でありますように。

 

職員の皆さんへ

 
小林 豊機(常務理事):平成24年10月15日

9月27日の運営委員会に於きまして、京谷総合相談課長より8月の入所実績が報告されました。稼働率99.27%と好成績で、回転率7%、在宅復帰率32%は、期待される老健施設の姿に近づきつつあるとの評価です。私は、1989年に制定されたゴールドプラン(高齢者保健福祉推進10年戦略)の研究会に参画、又、2000年の介護保険制度導入に伴う(同5ヶ年計画)新ゴールドプランにもかかわり、そこで多くのことを学ばせてもらいました。特に病状が安定し、治療や入院は必要ないが、リハビリを含む看護や介護の施設としての介護老人保健施設には深い関心を持ちました。
門外漢の私でしたが、医療と介護が共存し自立支援、家庭復帰の実現を目的とする老健施設こそ、これからの時代に求められているものと以後、常に注目をして来たところです。
しかし、2009年 介護老人保健施設の運営に携わってみて、特養施設・グループホーム等の未整備の段階であったとも考えられますが、行政も老健施設が本来の役割を果たせずにいる姿を容認している姿勢に複雑な心境を覚えました。
その後、ご承知の通り2012年4月の介護保険の改正によって、老健施設としての明確な運営が求められることとなりました。
私共の施設は、特養施設でキャリアを積まれたスタッフが多く、特養型老健施設の色彩が強いだけに方針転換は容易ならざる課題ですが、運営委員会を中心に運営改善に取組むことを決断。幸い石井施設長が豊富な医療知識と経験を発揮され、それを松本看護師長がサポートされ、さらに京谷総合相談課長及び田中相談員、久田相談員に於いて、より精度の高い介護への見直し等に着手され、いま在宅復帰等にも成果を収めつつあります。
しかし、なんと言ってもご入所者様と日常生活を共にされている介護現場のスタッフの皆さんの率先した意識変革と行動が老健施設本来の姿を築き上げる原動力そのものと信じます。期待しています。
平成24年10月吉日

 

素晴らしき皆様へ

 
瀬﨑 忠雄(事務局長・ケアクラウン):平成24年10月05日

いつも、法人の事業をお支え頂き感謝いたします。
ご不満はありませんでしょうか?、ご希望はありませんでしょうか?
法人では意見箱を設置したり、請求書の発送の時に「ご意見、提言、希望」をお書きください、今後の運営に活かさせていただきます。という手紙も同封いたしております。先月より「介護相談員制度」を導入し、毎月1日、2名の相談員の方に来ていただき、利用されている方々に施設には言いにくい事も「聞きとり」を行ってもらっております。
しかし、戦中、前後の大変の中を暮らし、現在の日本国を創って下さった、淑やかで我慢強い方々から「訴え」を聞き出す事は中々、難しいです。
「どんな時」でも、「誰」でも良いので、施設に対する意見がありましたら、お気軽にお話し下さればと思います。
私事ですが今月、還暦を迎えました。一昔前でしたら、後進に譲り、もう引退の時なのですが、「働かせていただいております」。最近、以前には気が付かなかった事に気付き、理解出来なかった事が分かるようになりました。「さすが年の功!!」と冗談みたいに使っておりましたが、実際に「年の功」の意味が分かってきました。若い頃は「お金が欲しい、お金が欲しい」と思っておりましたが、最近は電気代を払う時、ガス代を払う時、水道代を払う時に「ああ、今月も支払が出来て良かった」・・・と思うようになりました。「支払える事に感謝」できるようになりましたら、「お金が無くなったらどうしょう・・・」、「支払が出来なかったらどうしょう」・・・という漠然とした不安がなくなりました。むしろ、日々、生きている事に喜びを感じ「不安が一掃」されました。・・・・
可笑しいですね、「同じお金を払う」という行為なのに感謝して支払うと「心が豊」になります。そういうプラス思考になるのが、「良き老い方」なのかも知れませんネ・・・・。
もう少し、歳を重ねますと「利用されている方」の気持ちも、もっとわかるかも知れませんが、そこまで在籍していましたら、多方面に支障が来すと思いますので、ほどほどの時期に利用の待機者として登録をしていただく事にいたしましょう。
いつも、法人のサービスをご利用いただき心より感謝いたします。
いつも、皆様と「友」にありたいと思っております。

 

敬老会週間

 
榎本 園子(在宅統括課長・介護福祉士)

通所リハビリテーションでは9月10日から15日の6日間は「敬老会週間」として、ご利用者様の長寿をお祝いさせて頂きました。昼食はお祝い膳として懐石弁当ご用意させて頂きました。どの方も「こんなたくさんのご馳走は食べれないわ~」と言いながらも、「美味しいから食べちゃったわ!」と完食!! 職員の中には毎日お祝い膳を食べていたら1.5kg太ってしまったとか・・・。またソプラノコンサートやゴスペルやフラダンス、ハーモニカ演奏など多くのボランティアさん達が素敵な催し物を披露してくださり、敬老会に花を添えて頂きました。

(今年のプレゼントはコイン&キーケースです。)

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職員の皆さんへ

 
石井 修(医師・施設長):平成24年9月14日

まだまだ残暑厳しい日が続いておりますが、やっと朝夕の涼しさや日の短さに秋の足音を感じるようになりました。

みなさん、夏バテなどしていませんか? 過ごしやすくなってきたこのような季節こそ、実は自律神経のバランスが乱れています。季節の変わり目には体調も崩しやすく、精神的にも落ち着かず、注意散漫になるのも春や秋の特徴とも言われています。十分な睡眠をとり体調管理に普段以上に気を遣い、事故のないように過ごしてください。

 

そんな中、気になるニュースが先月末に話題になりました。

製品評価技術基盤機構(NITE〈ナイト〉)の調べにより『介護ベッドの柵や手すりに頭や手足が挟まるなどの事故が2007年度からの5年間で179件発生している』という事実が明らかになったものです。ニュースや新聞で目にした方も多いと思います。

 

この過去5年の間に起きた事故のうち、同一業者のリコール事例を除く136件を分析したところ、死亡(36件)、または重傷(42件)を負う重大な事故に至ったケースが全体の約6割を占めており、毎年度15件のペースで発生しており、減少傾向にはない現状も浮き彫りになりました。

そして一番大切なことは、この注意喚起の中に、「介護する人の対策で防げる事故がある」と呼びかけていることにあります。 確かに事故件数の詳細は、死亡または重傷を負った事故のうち半数以上が家庭内で起きていたとあり、特に介護経験の浅い年数でご家庭での事故が多い(介護ベッドを使いだして2年未満)とのことですが、記事の中で葛谷弘之製品安全調査課長は「高齢化で在宅介護が増える中、介護に不慣れな期間に事故が起きる場合が多い」と指摘する一方で、病院内で19件、介護施設11件と件数が続いていることも事実であると指摘しています。これは、病院や施設に於いても、勤務経験の浅い従業員にも言えることであり、また、病院と施設を合わせて30件もの事故があるとすれば、ふとした不注意からいつでも誰でも、どこであっても起こりえることでもあるとも言えます。

これらデータが明らかになってきたのも、2007年から重大事故報告制度が始まったことによります。それ以降、事故の未然防止のため、3年前からJISを改訂し、手すりのすき間についての基準を強化するとともに、2010年10月には、経済産業省から『ベッドの製造事業者等に対して、対策部品の取り付けに関しての施設管理者等への周知徹底の要請をする』などの政府の働きがあったのにもかかわらず、発生件数は横ばいであり、減少されない事実があります。事故内容は、『ベッドと柵の間に首や手足を挟まれる』『手足が挟まった状態を気づかずにリクライニング動作を行うことによる骨折、皮膚剥離』などと続いています。

日ごろから入所者さまの安全管理には常に尽力していただいていることと思いますが、このようなニュースを目にし、ここで再度、ベッドの取扱いや体位交換や移動に伴う注意など、当たり前にしていること、慣れていることに対し、あらためて再三の注意と、各自の安全管理に伴う意識のあり方に向けて、周知徹底をいたしたいと思います。

これから先も、このほほえみの郷からこのような悲しい事故が発生しないことを願いながら、冒頭にも書きましたように、スタッフのみなさん自身の体調管理や気分転換など、ご自身の心身のケアに対しても、くれぐれも意識を向けていただきたいと切に願います。

 

ご入所者の皆様へ

 
瀬﨑 忠雄(事務局長・ケアクラウン):平成24年9月12日

介護が必要になったら不幸せでしょうか? 病気を持ったら、かわいそうな人たち…なのでしょうか? 障がいを持たれた方が手記で、「私は障がいを持ったことを不幸とは思ってはいません。ただ、障がいを持ってこの日本に生まれたことを不幸と思っています」と書いていました。支援が必要でも、障がいを持っても、病気があっても、それがすなわち「不幸」ではありません。そこには人間の「尊厳」があります。私達はその「尊厳」に真摯に向かい合いたいと思うのです。

ただ、不幸ではないけれど負荷のある人生では、やはりご本人もご家族も、より良い時間を過ごすために悩みや苦しみを背負いながら、楽でない生活を強いられます。何が人の心を不幸にするのでしょうか? どうすれば幸せを、より感じる時間を過ごしていけるのでしょうか?

「ちとせ・ほほえみ医療グループ」は来られる利用者(患者)様、ご家族様、生活する地域、職員、そして仕事に対して、次の事を大切に考えています。

「寄り添う事」、「優しさと厳しさを両方持つ事」、「骨格のしっかりした組織にする事」、「共に生きる事」・・・

人は本質的に、地域社会の中で生きています。施設といえども、地域との交流を大切にして、ご利用者(患者)様が地域の中の一員として過ごせることを大切にしたいと願っています。

私達の仕事は、人間として生きる究極の仕事であると思っています。その方たちの立場に立ち、その人生にかかわらせていただくという、「厳粛」で、そして極めて人間らしい「温かい」仕事に私たちは就いています。その機会を与えて下さったことに感謝し出来る限り貢献できる自分達であることを改めて誓いたいと思います。